賃貸でも実現する壁面活用共有ワークスペース:ディアウォールで作るスリムデスクのDIY術
夫婦のための手軽な共有ワークスペースDIY:壁を傷つけないディアウォール活用術
ご夫婦で在宅ワークをされている方や、趣味の時間を共有したいとお考えの方にとって、限られた住空間でのワークスペース確保は共通の課題かもしれません。特に賃貸物件にお住まいの場合、壁に穴を開けることに抵抗があり、DIYに踏み切れないという方も少なくないでしょう。また、DIY自体が初めてで、何から始めれば良いのか不安を感じることもあるのではないでしょうか。
このページでは、そのようなお悩みを解決するため、賃貸でも安心して実践できる「ディアウォール」を使った壁面スリム共有デスクのDIYアイデアをご紹介します。壁を傷つける心配がなく、超初心者の方でも一歩ずつ進められるよう、材料選びから作り方、費用目安、そしておしゃれな活用例までを丁寧に解説いたします。この記事を読み終える頃には、「これなら自分たちにもできそう」と、DIYへの第一歩を踏み出す自信が持てることでしょう。
ディアウォールで作る壁面スリム共有デスクの具体的なDIYアイデアとチュートリアル
ディアウォールは、2x4材を床と天井で突っ張らせることで、柱を立てる画期的なアイテムです。これにより、壁を傷つけることなく棚やデスクを設置することが可能になります。今回は、特にスペースが限られた賃貸物件に最適な、奥行きの少ない「スリムデスク」として活用するアイデアをご紹介します。
DIYプロジェクトの概要:壁面スリム共有デスク
このプロジェクトでは、ディアウォールで立てた柱に、奥行きが浅めの天板と収納用の棚板を取り付け、夫婦で並んで使えるコンパクトなワークスペースを構築します。
製作ステップ
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デザインと採寸の徹底
- まず、ワークスペースを設置したい場所の天井の高さ、壁の幅、そして希望するデスクの奥行きを正確に測ります。メジャーを使い、複数箇所で測ることで誤差を減らします。
- ご夫婦が並んで使うことを想定し、それぞれのPCや資料が置ける最低限の幅を確保しましょう。一般的には、PC1台につき60cmから80cm程度の幅があると快適です。
- デスク天板の高さは、お使いの椅子に合わせて調整することが大切です。一般的なデスクの高さは70cmから75cmですが、実際に座って腕を置いたときの姿勢を確認し、最適な高さを決定します。
- 棚板を設置する場合は、収納したいものの高さに合わせて計画します。
- この段階での丁寧な採寸が、成功への鍵となります。
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ディアウォール支柱の準備と設置
- 採寸した天井の高さから、ディアウォール指定の長さを差し引いた寸法の2x4材を用意します。ホームセンターでカットサービスを利用すると便利です。
- ディアウォール本体を2x4材の両端に取り付けます。
- 設置したい場所に2x4材を立て、天井と床にしっかりと突っ張らせて固定します。この際、垂直に立っているか水平器で確認することが重要です。ぐらつきがないよう、しっかりと固定してください。ご夫婦で協力すると、より安全かつスムーズに作業が進みます。
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デスク天板・棚板の設置
- 準備したデスク天板と棚板を、ディアウォールで立てた支柱に取り付けます。
- 取り付けには、L字金具や棚受け金具を使用します。天板の重さに耐えられる、十分な強度のある金具を選びましょう。
- 取り付け位置を決めたら、鉛筆で印を付け、電動ドライバー(または手回しドライバー)と木ネジで固定します。この際も、デスク面が水平であるか水平器で確認しながら作業を進めてください。少しでも傾きがあると、物を置いた際に安定しません。
- 複数の棚板を設ける場合、間隔を均等にするなど、見た目のバランスも考慮すると良いでしょう。
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仕上げと配線の工夫
- 木材の表面は、サンドペーパーで軽く研磨すると手触りが滑らかになり、見た目も美しくなります。
- お好みで、木材保護塗料やワックスを塗布すると、汚れや傷がつきにくくなり、風合いも増します。賃貸物件のため、原状回復のしやすさを考慮し、水性塗料や自然素材のオイル、または無塗装のままでも良いでしょう。
- PCや照明の配線は、デスク周りが散らかりがちになる要因です。デスク天板の裏側やディアウォール支柱に沿って、ケーブルモールやケーブルクリップを使用して配線をまとめることで、見た目もすっきりし、安全面も向上します。
複数の選択肢とカスタマイズのヒント
- 天板・棚板の素材: パイン集成材は加工しやすく安価でDIY初心者におすすめです。より強度を求めるならSPF材、デザイン性を重視するならOSB合板や有孔ボード(ペグボード)なども選択肢となります。
- 設置場所の工夫: 窓辺に設置すれば明るいワークスペースに。壁一面を使うのではなく、部屋のコーナーを利用してL字型のデスクにするなど、間取りに合わせて柔軟に調整できます。
- 収納の追加: デスク上に小さな引き出しを置いたり、ディアウォールの支柱にフックを取り付けて小物入れを吊るしたりすることで、収納力を高めることができます。
必要な材料・工具
材料リスト
- 2x4材: 天井高に合わせてカット(ディアウォールやラブリコの指定寸法に従う)。2本以上。
- デスク天板材: パイン集成材、合板など。設置幅と希望する奥行きに合わせて。
- 棚板材: デスク天板と同様の素材。必要に応じて。
- ディアウォール(またはラブリコ): 2x4材の数に合わせて2セット以上。
- L字金具または棚受け金具: 天板・棚板の固定用。複数個。
- 木ネジ: 金具と木材を固定できる長さ。
- (必要に応じて)木材保護塗料、ワックス、ハケ、サンドペーパー
工具リスト
- メジャー: 精密な採寸に必須。
- 鉛筆: 印付け用。
- 電動ドライバー: ネジの締め付けに非常に便利です。お持ちでない場合は手動ドライバーでも可能ですが、作業効率は格段に上がります。
- 水平器: デスクや棚の水平を正確に保つために必須です。
- のこぎり: 木材のカットが必要な場合。ホームセンターの木材カットサービスを利用すれば不要です。
- 軍手、保護メガネ: 安全な作業のために着用を推奨します。
材料・工具の購入場所
- ホームセンター: 2x4材や天板材、ディアウォール、各種金具、木ネジ、のこぎり、メジャー、鉛筆など、ほとんどの材料と工具が揃います。木材カットサービスも利用できます。
- 100円ショップ: 軍手、簡易的なメジャー、一部の小型工具や小物入れなどが手に入ることがあります。
- オンラインストア: ディアウォールや特定のデザインの金具など、実店舗では見つけにくいアイテムが豊富です。
費用目安
今回ご紹介するディアウォールを使った壁面スリム共有デスクのDIYにかかる費用は、選ぶ材料のグレードや数によって変動しますが、おおよそ1万円から2万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
- ディアウォール(2セット): 約2,000円
- 2x4材(2本): 約1,000円〜2,000円
- デスク天板材: 約3,000円〜8,000円(幅や奥行き、素材による)
- 棚板材: 約1,000円〜3,000円(枚数、サイズによる)
- L字金具、木ネジ: 約1,000円〜2,000円
- 塗料・ワックス(必要に応じて): 数百円〜数千円
すでに電動ドライバーや水平器をお持ちであれば、工具にかかる費用は抑えられます。DIYの経験がない場合、最低限の工具を揃える初期費用が別途発生する可能性も考慮してください。
DIYのポイントと注意点
DIYを成功させ、安全に作業を進めるために、以下のポイントと注意点を守りましょう。
- 採寸は複数回行う: 天井の高さや壁の幅は、場所によって数ミリ程度の誤差がある場合があります。必ず複数箇所で測り、最も短い(または狭い)寸法を基準に木材をカットすることが、ディアウォールの安定設置には不可欠です。
- 水平を常に意識する: デスクや棚が傾いていると、見た目が悪くなるだけでなく、物を置いた際の安定性にも影響します。水平器を積極的に活用し、各工程で確認しながら作業を進めてください。
- 工具の安全な使い方を学ぶ: 電動ドライバーやのこぎりを使用する際は、取扱説明書をよく読み、軍手や保護メガネを着用するなど、安全対策を徹底してください。無理な姿勢での作業は避けましょう。
- 賃貸物件での注意点と原状回復:
- ディアウォールは壁に穴を開けませんが、長期間設置すると壁紙にわずかな跡が残る可能性もゼロではありません。設置前に目立たない場所で試したり、壁とディアウォールの間に保護シートを挟んだりする対策も有効です。
- 重いものを載せすぎると、ディアウォールや木材に負担がかかり、破損や転倒の原因となることがあります。耐荷重を確認し、安全な範囲内で使用してください。
- 引っ越しなどで原状回復が必要になった際には、分解した木材や金具を適切に処理または再利用できるよう、計画的に進めることが大切です。
- 木材の反りに注意: 天然木材は湿度や温度の変化で反りや歪みが生じることがあります。購入後はできるだけ早く作業に取り掛かり、直射日光や高温多湿を避けて保管してください。
完成イメージと活用例
完成した壁面スリム共有デスクは、お部屋の雰囲気に合わせて様々な表情を見せます。
- シンプルモダンな空間: 無塗装のパイン材に、モノトーンの小物やシンプルなデスクライトを配置すれば、すっきりとしたモダンな印象になります。
- 温かみのある北欧スタイル: 木材に薄い色のワックスを塗布し、可愛らしい観葉植物やファブリックを取り入れれば、温かみのある北欧風のワークスペースが完成します。
- 夫婦それぞれのスペース確保: 横長の天板を活かし、それぞれのPCスペースを明確に分けつつ、中央には共有のプリンターや本、小さな間仕切りなどを置いて、適度なプライバシーを保つ工夫もできます。
- 収納とディスプレイ: デスク上の棚には、作業に必要な書類や本だけでなく、お気に入りの雑貨や写真立てを飾ることで、機能性とおしゃれさを両立できます。壁面を活用することで、床面積を圧迫せず、広々とした空間を維持できる点が大きな魅力です。
まとめ
この記事では、DIY初心者で賃貸物件にお住まいの夫婦でも手軽に実現できる、ディアウォールを活用した壁面スリム共有ワークスペースの作り方をご紹介しました。採寸から材料選び、組み立て、そして仕上げに至るまで、各ステップを丁寧に進めることで、ご自身とパートナーのライフスタイルにぴったりの機能的でおしゃれな空間を作り出すことが可能です。
DIYは、少しの勇気と正しい知識があれば、誰でも挑戦できる素晴らしい体験です。このプロジェクトを通じて、ご夫婦で協力し、楽しみながら理想のワークスペースを作り上げる喜びをぜひ味わってください。自分たちの手で作り上げた空間は、きっと日々の生活に新たな彩りをもたらしてくれることでしょう。さあ、安全に配慮しながら、自分たちだけの特別な共有ワークスペース作りを始めてみませんか。